ポーター教授は、ファイブフォース分析での「新規参入の脅威」の検討では、以下のような観点での検討をするように言っています。
- 規模の経済があるかどうか
- 業界で製品の差別化ができているかどうか
- 参入に巨額の投資が必要かどうか
- 仕入れ先を変更するコストが大きいかどうか
- 流通チャネルを確保するのが容易かどうか
- 規模とは無関係なコスト面で不利かどうか
- 政府による規制など
- 参入に対する報復
これらの点が、その業界への参入が容易かどうかを決定づけるといいます。
たとえば、「規模の経済があるかどうか」というのは、少々難しい言い方ですが、簡単に言えば、たくさん作ったり、たくさん売ったりすることで効率が高くなるかどうか、という観点です。
たとえば、ラーメン作りなら、
A: 1杯分のラーメンをイチから作る。
B: 100杯分のラーメンをイチから作る。
ような2つの場合を考えれば、ラーメン1杯あたりにかかるお金や労力はBの方がはるかに少ないというのはイメージできると思います。
このような規模の経済がある場合に、その業界に既に大きな商売をしている業者がいれば、新規の業者は参入しにくいことになります。
なぜなら、既に大きな商売をしている業者よりも大きな商売をしないと、コスト面では太刀打ちできませんからね。
この「規模の経済があるかどうか」は一つの観点で、その他にも上に並べたように様々な要因によって、その業界への参入のしやすさが影響されます。