5フォース分析で「業界内の競争」の一つの要因として「その業界の企業の固定コストや在庫コストが高いかどうか」も影響があります。
固定コストや在庫コストが高い場合、業界内の競争が激しくなります。
業界によっては大きな設備投資を必要となる業界もあり、業界内の競争の激しさを決める一要因となります。
固定コストが高い場合
固定コストが高い場合、損益分岐点が高くなります。
その理由は、損益分岐点の計算式を考えればわかります。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 粗利率
損益分岐点が高い場合、その企業はたくさん生産しようとします。
たとえば、
「高い機械を買ったので、モトをとるためにたくさん作って売るぞ!」
という状況です。
業界内の企業がみなたくさん生産しようとすると、供給過多の状態となり、売れなくなります。
そのため競争が激しくなります。
在庫コストが高い場合
在庫コストが高い場合とは、在庫を保管しておくのに多額の費用がかかったり、劣化して売り物にならなくなったりするような場合です。
例えば、
流行が変化するため、売れ残りを在庫しておくとすぐに流行から外れて不良在庫になるアパレル業界
のような業界をイメージしていただければわかると思います。
このような場合、企業はモノが売れ残ることを嫌います。
在庫を減らそうとするため、売れ残らないようにするため、安くしてでも売りきろうとします。
広告を大量に出して売り切ろうとするかもしれません。
そのため、競争が激しくなります。