収益構造は戦略に従う

お客さまの欲求を満足させる3つの差別化軸

競合他社と差別化をし、お客様の欲求を満足させるためには、基本的に以下の3つの差別化の方向性があります。

<3つの差別化軸>

  • 手軽軸・・・簡単に手に入る。安い。
  • 商品軸・・・とにかくモノが良い。
  • 密着軸・・・お客さま一人ひとりにカスタマイズ。

ラーメンを例にとると、こんな感じです。

  • 手軽軸・・・コンビニやスーパーで手に入るインスタントラーメン
  • 商品軸・・・味に絶対のこだわりを持つラーメン屋。極端になると、「まずはスープを一口飲め」と食べ方まで指示してしまう。
  • 密着軸・・・スープの味の濃い薄い、麺の茹で加減など、お客様の要望に応えるラーメン屋。

どんな商売でも、基本的にこの3つの差別化軸のいずれかに該当をします。

どの差別化軸を選択するかは、戦略でもあります

STRAC表で表す収益構造

戦略会計とよばれるものがあります。

通常の会計が、決算書の作成を目的としているのに対し、戦略会計は文字通り戦略を考えるための会計です。

その戦略会計で、STRAC表という図(下の図)を用いて収益構造を把握します。

STRAC

この図は左側から見ていきます。

一番左側が売上高です。

「P×Q」は「価格×個数」を表します。

真ん中の列は、売上高の内訳を、変動費と粗利に分けたものです。

この粗利が収益の源泉となります。

なお、この図でいう変動費は、一般的に言われる「変動費」とは異なり、売上とは比例しません。

ここで言う変動費は売上個数と比例をする費用です。

そして、右側は、粗利からさらに固定費を差し引いて、利益が出るのを表しています。

この図での、それぞれの額や割合の大きさが収益構造を表していると言えます。

3つの差別化軸にはそれぞれの収益構造がある

さて、先に述べた3つの差別化軸ですが、それぞれに特徴的な収益構造があります。

手軽軸の収益構造

手軽軸は、お客様にお手軽に購入していただけるよう、安価での提供を目指します。

そのために企業がやるべきことは、いわゆる「コスト削減!」、です。

そのため、商品1個当たりの変動費や、固定費は出来るだけ小さくしようとします。

ただし、コスト削減もやり過ぎると、商品品質に問題を来すようになり、顧客離れを起こすリスクが高まります。

さじ加減が大切です。

商品軸の収益構造

商品軸は、とにかく良いものを提供しようとします。

そのためにすることは、1個あたりにかける費用を高めることです。

例えば、良い材料を仕入れて使うとかいったことです。

すなわち、変動費を多く確保することになります。

さて、「確保する」という言い方をしましたが、通常ならば「かかる」という言い方が正しいかもしれません。

しかし、ここでは戦略的に「変動費をかける」ことになりますので、敢えて「確保する」という言い方にしています。

なお、良い製品を作るために高価な機械を使うような場合であれば、減価償却費などの固定費を多く確保することになります。

密着軸の収益構造

密着軸では、お客様の要望にとにかく応えます。

そのためにすることは、お客さまの要望を聞いてのカスタマイズです。

カスタマイズは基本的に人手がかかりますので、人件費、すなわち固定費を多く確保することになります。

収益構造は戦略に従う

チャンドラーさんは言います、「組織は戦略に従う」と。

アンゾフさんは言います、「戦略は組織に従う」と。

いずれも経営学の世界では有名な言葉です。

さて、今回の記事の内容を同じような言い回しでいうならば、

「収益構造は戦略に従う」

といったところですね。

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