業者内の2社の戦略が異質な場合
業者内の業者の戦略が異質な場合、業界内の競争は激しくなります。
例えば、2社が存在する市場で、同じような製品を販売している場合を考えてみましょう。
A社とB社は同じ路線の製品を販売していますが、戦略は次のように異なるとします。
- A社 ・・・ ブランドを高め、高付加価値で売りたい。(3つの差別化軸でいうところの「商品軸」を選択)
- B社 ・・・ 安売りが得意としている。当然、おの製品も低価格で販売したい。(3つの差別化軸でいうところの「手軽軸」を選択)
A社としては、顧客の頭の中でのこの製品のイメージを出来る限り高級にし、高い価格で販売をしたいところです。
「あの製品は良いものだ。高くてもそれだけのお金を出す価値がある。」と顧客に思ってもらえれば、高い価格での販売も可能になります。
しかし、その隣でB社が似たような製品をたたき売りしていたとしましょう。
そのようなB社が隣にいれば、A社が製品のブランド価値を高めたいと思っても、なかなかままならないでしょう。
もし、A社とB社が協力をしあい製品のブランドイメージを高めるということをすれば、A社もB社も儲かります。
しかし、実際には、B社が強みを発揮できる戦略は「低価格」路線です。
普段からいろいろなものを安売りしているB社が、高級路線で製品を販売しようとしても、上手くは行きません。
だから、A社とB社は協力し合うこともなく、それぞれ別の戦略をとっています。
その結果、業界内の競争は激しくなります。
実際の市場はもっと複雑。だが基本は一緒。
実際の市場は、上で考えたようなシンプルな市場ではなく、様々な企業が様々な戦略をとります。
しかし、そこで起きることは基本的に2社の場合と同じです。
ほとんどの企業はお互いに協調することもなく、自社の利益を追求します。
異質な戦略が可能な業界では、なおさら競争は激しくなります。