中小企業診断士をしていて「不思議だなぁ」と、なんとなく思っていること。
それは「専門分野」のこと。
専門分野
よく、「ご専門はなんですか?」と聞かれます。
質問する人の多くは、例えば以下のような答えを期待しているようです。
- 「マーケティングが専門です」
- 「生産管理が専門です」
- 「海外展開が専門です」
- 「ベトナム進出が専門です」
- 「人事が専門です」
- 「5Sが専門です」
- 「知的財産が専門です」
- ・・・
専門を突き詰めれば「選ばれる理由」になる
マーケティングで、S・T・Pは大切です。
Sはセグメンテーション、顧客層を分類すること。
Tはターゲティング、狙う特定の顧客層を決めること。
Pはポジショニング、特色を明確にし、競合他社に対する差別化を行うこと。
こうした活動は、いわば「絞り込み」というやつです。
絞り込むことで、顧客から選ばれる理由が生まれます。
コンサルタントも当然、絞り込みによってえらばれる理由が生まれます。
専門家は選ばれるが、あくまでも「専門家」である
ただ、気になる点は、顧客がある専門家に特定の価値を見出し、選んだとしても、それはあくまでも「専門家」だということ。
例えば、「海外展開の専門家」として顧客に選ばれれば、「海外展開の専門家」として扱われます。
このいわゆる「専門」の内容が、経営戦略の下位のものだったり、戦術だったり、機能的なものであったり、個別のものであった場合、経営者の頭の中にあるお悩みのうち、下位のものになりがちです。
経営者としては「この内容は専門家がいるから、任せておこう」となりがちです。
結局、外注的な仕事になり、経営の核心部から遠い部分を扱う「専門家」となってしまいがちです。
専門を突き詰めるのなら、経営の核心部に迫るべき
コンサルタントにとっては「専門」の選び方が、「個別の専門家」になるのか「経営コンサルタント」になるのかの分かれ道であるように思います。
そして、「経営コンサルタント」になるためには、いわゆる「経営の核心部」を専門分野とするべきと思います。
核心部のコンサルニーズは実は満たされていないのでは?
実は、この「経営の核心部」を専門分野としているコンサルタントって、意外と少ないのではないかと思います。
であるならば、この核心部に対するコンサルニーズは、意外にほとんど未開のニーズである可能性もあるのでは、と思っています。
コンサルというよりはコーチのニーズがある?
ただし、核心部というのは、人からあれこれ言われたくないエリアでもあります(私も人からあれこれ言われたくありません)。
なので、この部分は実は、コンサルティングというよりはコーチングで迫るべきだと考えています。