利益と売上は比例しません。
粗利と売上も、比例はしません。
基本的には粗利を考えることが大切です。
しかし、売上で考えるとわかりやすい面もあります。
今回は、売上の拡大策の考え方についてです。
売上の要素を分解する
売上の要素を分解することで、打ち手が見えてきます。
打ち上げの分解の仕方は何通りもありますが、ここでは2パターンをご紹介します。
売上分解パターン1
売上高を来店客数と客単価に分解し
売上高 = 来店客数 × 客単価
とします。
そして、さらに、
来店客数 = 顧客数 × 来店回数
客単価 = 商品単価 × 買上点数
と分解します。
その結果、
売上高 = (顧客数 × 来店回数) × (商品単価 × 買上点数)
となります。
この分解を表したものが次の図です。

このように分解をすると、売上を上げるためのアイデアを出しやすくなります。
つまり、売上を上げるために、

- 顧客数を増やすにはどうしたらよいか?
- 来店客数を増やすにはどうしたらよいか?
- 商品単価を上げるにはどうしたらよいか?
- 買上点数を増やすにはどうしたらよいか?
というように、個別の観点にフォーカスをしながら打ち手を考えていくことができます。
個別の観点であれば、アイデアも出しやすいものです。
売上分解パターン2
2つ目のパターンも、売上を客数と客単価に分解する点は同じです。
売上 = 客数 × 客単価
ここから先の分解の仕方が違います。
まず、客数は、既存顧客と新規顧客、流出顧客に分解します。
すなわち、
客数 = 既存顧客 + 新規顧客 - 流出顧客
となります。

また、客単価は、
客単価 = 購買回数 × 1回当たり購買金額
と分解し、さらに1回あたり購買金額は、
1回当たり購買金額 = 購買点数 × 商品単価
と分解します。
その結果、元々の売上の式(売上 = 客数 × 客単価)は、
売上=(既存顧客+新規顧客ー流出顧客)×購買回数×購買点数×商品単価
というふうに、要素に分解されます。
すなわち、次の図のようになります。

そして、各要素のうち、「既存顧客」以外の要素については、打ち手を考えることができます。

- 新規顧客を増やすにはどうしたらよいか?
- 流出顧客を減らすにはどうしたらよいか?
- 購買回数を増やすにはどうしたらよいか?
- 購買点数を増やすにはどうしたらよいか?
- 商品単価を上げるにはどうしたらよいか?
と、アイデアを考えることができます。
具体的に数値で把握する
このように、売上を書く要素に分解することで、売り上げ増大策のアイデアを考える切り口として使うことができます。
そして、これらの各要素については数字で把握することが大事です。
数値で把握することで問題点が明確になる
数字で把握することで、自社のどこに問題点があるのか明確になります。
たとえば、過去1年間の顧客を分析したときに、
- 新規顧客 100名
- 既存顧客 1,000名
- 流出顧客 500名
だったとします。
ケースバイケース、戦略にもよりますが、この数字をみて

流出顧客が多いのではないか?
重点課題は顧客の流出を抑えることだ!
といった感じに、問題点を把握でき、対策を行うべきポイントが明確になります。
数値で把握することで管理可能になる
また、数値で把握していることにより、対策の効果があったのか、なかったのか?対策が足りたのか足らなかったのか?と管理をしていくことが可能になります。

前期はあの数字だったので対策をしてみた。
その結果、こういう数字になった。
ということは、対策の効果は一応あったが、まだ不十分だ。
今度は〇〇〇の手を打ってみよう!
まとめ
売上拡大策は、売上の要素を分解することで、アイデアを考えやすくなります。
また、数値で把握することは、問題点の把握、重点課題の抽出、モニタリングのために大切です。