生産性の向上は競争力も高めます
改善で実際にあった例として、
とある製造業の会社で、生産に10カ月かかっていたのに、改善によって1週間に短縮したという事例があります。
このような劇的な改善では、圧倒的な競争力を生み出します。
この会社と同じような製品をつくる他社は、相変わらず10カ月程度かかっています。
このような状況だと、競合他社はこの会社に対して太刀打ちすることが困難です。
その会社は一人勝ちになります。
さて、どうしてこんなことが可能だったのでしょうか?
一般的に、社内の作業のうち価値を生んでいる作業の割合は驚くほど少ない
例えば製造業の場合、
ものをつくるために材料を仕入れてきて、
倉庫にいれておき、
順番が来たら倉庫から取り出し、
加工や組立をして、
倉庫に保管し、
納品する・・・
といった作業が連続しています。
さて、会社に材料が入ってきてから出ていくまでの間で、材料が過ごした時間のうち、
価値を生み出す作業(加工や組み立て)はどのくらいあるでしょうか?
実は、この割合は驚くほど低いのです。
一般的な企業の場合、15%程度あればまともな方です。
BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)には「0.05~5の法則」というものもあります。
これは、多くの起業の場合、実際に価値を生み出している作業の時間は0.05%~5%程度だということを表した法則です。
価値を生み出している時間の割合を高めることで、生産性は驚くほど向上します。
価値を生む作業を増やすには、まずは分析から
価値を生み出す時間の割合を高めるためには、まずは現状把握(=分析)からです。
現実の作業工程がどうなっているのかを明らかにすることで、
改善すべき箇所がわかり、改善のアイデア出しも可能になります。
分析のためのツールの代表的なものとしてIE(Indsutrial Engineering)があります。
IEによる分析で、現状の作業工程が丸裸になります。
分析結果をもとに、皆でアイデア出しや議論をし、実行をしていくことで生産性が向上します。
改善は自分たちでやろう
改善は皆でやることが大切です。
外部からコンサルが来て「こういう風にやればよい」と教えても、一時的にはよくなりますが、
いずれまたできなくなってしまいます。
皆でやることで、改善方法を皆が習得し、アイデア出しや議論もできるようになり、
改善力をもった組織へと育っていくことができます。
改善力のある組織は、自律的にどんどん改善をし、生産性を高めていきます。
生産性向上の効果
価値を生み出す時間を高めることで、さまざまな効果が得られます。
材料が短時間で製品へとカタチを変え、出荷されることで、回転率が高まります。
回転率が高まると、早く資金を回収でき、経営の安全性が高まります。
資金が材料等に固定されたままにならずに済むことから、他のことをする資金としても活用可能性が拡がります。
製品を短時間でつくることができることから、生産量を増加させることができます。
短納期にもなるので、顧客からの短納期要求にも応えられるようになります。
価値を生み出さない時間を減らすことから、コスト低減にもなります。
さらに、大抵の場合、改善力が向上した影響から、品質も向上する場合が多いです。
当事務所でも生産性向上を支援しています
当事務所では、生産性向上のコンサルティング(コーチング)も行っています。
以下の2つの観点で行っています。
(基礎的改善力の強化)IE等の改善手法の基礎を社員がマスターするのをサポート
(発展的改善力の強化)アイデア発想、ディベート等の訓練で、社員の「考える力」の強化をサポート