B/S、バランスシートの悪化の仕組みについてです。
企業を経営していると、いつの間にかB/Sが悪くなってしまうことがあります。
どういう仕組みでB/Sが悪化してしまうのでしょうか?
そもそも、B/Sは右側と左側でバランスが取れているものです。
右側はお金の出所を表し、左側はそのお金の使い道を表します。
右側(出所)と左側(使い道)はそれぞれ伸び縮みする
例えば、利益が発生した場合には、そのお金は右側(出所)に追加されます。
また、買掛金や手形などが増えることも、右側の増加に一役買います。
これらは、いずれ払わなければなりませんがまだ払ってないお金なので、実質的にお金を借りているような状態、つまり、お金の出所(右側)に計上されるためです。
このように、B/Sの右側(出所)を伸び縮みさせる要素が経営を通して発生していきます。
同様に、B/Sの左側(使い道)を伸び縮みさせる要素も経営を通して発生します(売掛金、在庫、設備投資など)。
右側(出所)が左側(使い道)に足りないときB/Sが悪化する
上記のような仕組みで、B/Sの右側(出所)と左側(使い道)はそれぞれ伸び縮みします。
この伸び縮みの仕方で、左側(使い道)より右側(出所)が少ないときに問題が発生します。
このような状態は、いわゆる「資金不足」の状態です。
しかし、B/Sはそもそも左右でバランスが取れていはずのものですよね。
それでは、どうなるのか?
答えは、「借入が増える」です。
結果的に、B/Sに占める借入金の割合が増えていくことになり、B/Sが悪化します。
B/Sの健康状態を保つには
問題は左側(使い道)より右側(出所)が少ないときに発生しました。
逆にいえば、問題を発生させないためには、左側(使い道)より右側(出所)が多くなるように活動することです。
そのためには、売掛金や在庫の回転率を高くする、不要な固定資産を持たない、といった対策が効果的です。
また、右側では買掛金等の回転率を低くする、といった対策などが考えられます。