BCPと哲学

BCPと関連して・・・

東日本大震災の際、こんなことがあったそうです。

曰く、

東北のイエローハットのある店舗が全滅した時に、地域の人がたくさん協力をしてくれて、アッと言う間に事業が復旧したそうです。

ところが、近隣のライバル店は、復旧が大変遅れました。

というのも、津波の際に、店員がお客様を店内に残したまま先に逃げてしまったため、

そのことが噂で広まり、地域の協力が得られなかったことが大きかったそうです。

・・・

この話を読んだとき、絆や志だけでは片づけられない難しい話が入っているな、と私は思いました。

 

事業の復旧、継続のことや、絆、志、といったことを考えれば、ライバル店の店員の行動はNGでしょう。

しかし、店内の従業員への対応をしていた場合、店員自身も命が危なかったかもしれません。

数年前に政治哲学で話題になったサンデル教授の授業でも話題になってことがありますが、「トロッコ問題」というものがあります(参考:ハーバード白熱教室ノートLecture1,2 再検討)。

この「トロッコ問題」とどこか似た性質の問題を、この話から感じたのです。

  • あなたは店員です。さきほど大きな地震があり、津波が来そうです。
  • 店内の人をほったらかしにして逃げれば、あなたは助かる可能性が高いです。
  • 店内の人を誘導すれば、多くの人が助かるかもしれません。しかし、もしかしたら、全員死ぬかもしれません。
  • 道徳的に正しい選択は?

さぁ、どうなんだろう?と、私は思うわけです。

震災後、「津波てんでんこ」という言葉が注目されました。

産経ニュース記事には、以下のように書かれています。

千年に一度の超巨大津波に襲われた東日本大震災から明日で3年。被災地の調査を続ける中で、常々思い知らされるのは「津波てんでんこ」の教えの正しさだ。

てんでんことは各自のこと。海岸で大きな揺れを感じたときは、津波が来るから肉親にもかまわず、各自てんでんばらばらに一刻も早く高台に逃げて、自分の命を守れ-という意味だ。

このように、昔からの教えは個人の責任で逃げることを推奨しています。

さて、果たして店員はどちらの選択をするのが正解なのかなぁ?と考えますが、答えが出ません。

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